耐震から考える家づくり
2022/12/05
「地震に強い家」という言葉、CMや広告記事などでよく見ますよね!
でも実際、「地震に強いってどれくらい強いの?」「地震に強くするとお金がかかる?」など、わからないこともたくさんあると思います。
そこで今回は、「地震に強い家を建てるには」についてお話していきます。
一言に「地震に強い家」といってもこの中には等級があります。
それが、”耐震等級”というものです。現在、耐震等級には1~3の階級があります。
■耐震等級1:建築基準法で定められている最低基準の耐震性能(震度6~7の地震に大規模な修繕が必要と考えられる)
■耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性(震度6~7の地震後一部修繕が必要と考えられる)
■耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性(震度6~7の地震後一部の軽微な補修のみで暮らし続けられると考えられる)
耐震等級1と3では大きな違いがありますね。
これは是非とも耐震等級3をとりたいところ!
そしてこの耐震等級の計算をしていくときに出てくるのが「地域係数」です。
「あれ?地震ってどこでも起きるのに地域で変わるの?」と思われませんか?
その通り。実は、地域によってどの程度の強度を持たせる必要があるのか変わってくるんです。
この地域係数は、1.0・0.9・0.8・0.7の4種類があり大きい程地震に対して強度を持たせる必要があります。
では、愛媛県の地域係数は?
愛媛県内の地域係数、なんと”0.9”なんです!意外と大きいですよね...。
愛媛県はどちらかというと地震の起きやすい地域に区分されてしまうようです。
そうなると愛媛県内で家を建てる時にはより一層耐震について注意していきたいですね。
では、どうすれば耐震等級の高い家を作れるのでしょうか。
住宅の耐震性能には以下の項目が関係してきます。
・間取り(壁の配置)
・地盤
・地域係数
・壁や屋根の強さ、重さ
・接合部分の強さ
さっきお話しした地域係数はまだしも、どれもあまりピンときませんよね...。
ひとまず今回は、一番わかりやすい間取りについて考えてみましょう!
間取り図などは賃貸のお部屋探しなどで見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
今回話題にしたい「間取り」は部屋の位置、ではなく壁の位置です。
壁の配置の仕方によって家の耐震性能は大きく変わります。
どんな間取りが地震に強いのかいくつか例を見ていきましょう。
①2階リビング
1階に寝室や子供室を持ってきて2階にリビングを配置する間取りです。リビングなどは壁の少ない大きな空間となることが多いので、1階にかかる壁の重さが減り、さらに1階には寝室などで壁が多くできます。
②総2階
総2階というのは、1階と2階が同じ面積で、一部分だけ1階などにはなっていない家のことです。外壁は重たいので外壁の上に外壁が来る方が地震に強いといえます。逆に部分2階で2階の外壁の下に壁が来ない構造だと少し不安になりますね..。
③平屋
これは、平屋なら全て地震に強いというわけではありませんが、2階建ての家と比べると耐震性能を上げやすいです。高さが高くなるほど揺れやすいというのと、2階からかかる荷重が減って軽くなるからですね!
④上下の壁が同じ位置にある間取り
少し難しくなりますが、2階以上の家を建てる時には上下の壁の位置を比べてみてください。2階の壁の下に1階の壁はありますか?これは”直下率”という用語があるんですが、壁の下には壁がある、というのは荷重の流れを考えたときにすごく大切になります。間取り図を見る時少し意識してみてください。
このほかにも沢山の工夫によって地震に強い間取りが作れます。
冒頭にもちらっと書いた「地震に強くするとお金がかかるの?」という問題についてですが、上記の間取りによる工夫だと耐震の為のお金は特別かからない可能性が高いです。むしろ、間取りを工夫することによって強くしないといけない壁や接合部分を減らせたりして予算を抑えながら耐震性能を高められるかもしれません。
家づくり際にはぜひ耐震についても深く考えてみて下さい。
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愛媛で耐震性を重視した家なら
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